インターネットの宿泊予約サイトを見ると、ホテルや旅館の写真が溢れんばかりに掲載されている。それらを比較検討しながら選べるのもネット予約の利点ではあるが、ときには期待を裏切られることもある。
都内在住の会社員、三浦恵子さん(仮名・36才)は友人と今年のゴールデンウイークに九州に温泉旅行に出かけた。宿泊予約サイトで写真などを吟味し慎重に宿を選んだはずが、行ってみると事情が違ったという。
「たまには贅沢しようと1人2万円以上する宿を予約しました。写真では豪華な地魚の船盛りと和牛ヒレステーキがついた夕食に、夜空が見える展望露天風呂、部屋も広くてきれいでした。
通常なら1泊4万円以上する高級旅館が意外と安く予約できたので楽しみにしていましたが、実際に行ってみると、サイトに載っていた写真とは全然違ったんです。船盛りとステーキがつくのは別のコースで、ネット予約の格安プランの料理は違うと言われました。
露天風呂はなんと改装中で使えなかった。確かにサイトをよく見ると、料理の写真には “イメージ写真”と小さく書いてあるし、露天風呂も“改装中”と書いてありました。部屋は確かに広かったけど、畳がぼろぼろ、立てつけも古くてがっかり! ネット上では写真が重要な判断基準になるだけに、通常より写りをよくした“サービス写真”が多く載っているんだと実感しました」
部屋や食事の“裏切り”同様、ネットで見えにくいのは宿泊施設のサービスだ。神奈川県に住む主婦、高野ゆかりさん(仮名・55才)の話。
「宿泊予約サイトで見ると、部屋は露天風呂つきできれい、料理はおいしそう。しかも老舗の有名旅館なので、絶対外れはないと思ったんです。ネット上の期間限定タイムセールでお得なプランを見つけたので、ちょっとお高いけど奮発して泊まることにしました。宿に着いてみると、部屋も料理も温泉も写真通りでしたが、最悪だったのはサービス。
アレルギーがあるので『えびは使わないでほしい』と申込時に予約サイトの備考欄に書いたのに、夕食にはえびのお刺身が出されました。夕食の場所もレストラン食と申し込んだのに、なぜか希望が通っていない。
コトを荒立てるのもイヤだったので、感じが悪くならないように仲居さんに伝えたんです。すると『じゃあ(えびの代わりに)何を出せばいいんですか?』『お部屋でのお食事の方が、鉄板焼きがつくから豪華なんですよ』と淡々と説明されました。
部屋で鉄板焼きだなんて布団や服ににおいがつくし、ありがた迷惑です。それなのにあんなに恩着せがましく言われて…。あとでその話を友人にしたら、『私もそこに泊まろうと思って宿に電話したら、対応がかなり悪かったからやめた』と。次からは私も絶対に事前電話しようと思います」
※女性セブン2015年5月28日号