ネットでの旅行や宿泊の予約ではすべて自分で規約やプランを確認しなければいけない。とはいえ、細かな文字でびっしり書かれた規約は読みにくい…。兵庫県に住む主婦の中村恭子さん(仮名・54才)がこのゴールデンウイークでの失敗をこう振り返る。
「家族4人で東京に行こうと3か月前にホテルを予約したんです。でも1か月半前にどうしても外せない用事が入ってしまってキャンセルすることに。すると、キャンセル完了の連絡と共に『ご予約時に入力したカード決済でキャンセル料100%を引き落とします』と通知がきました。
まだ、1か月半も先のことなのにキャンセル料がかかるなんて絶対におかしいと思ってホテルに電話すると、『お申し込みいただいたプランだとキャンセル料を頂戴することになっています』と。そんなはずはないと、予約完了時のメールについていた確認書類をよく見ると、『お得プランのため、申し込み後のキャンセルは時期にかかわらずキャンセル料が100%発生します』と小さな文字で書いてありました。
数日前までキャンセルできると思い込んでいたので、ちゃんと読んでいませんでした。でも、まさか全額とられるなんて…」
このようにネット予約にまつわるトラブルは、「うっかりミス」から「大損」までさまざま。サイト運営会社が乱立することで、なかには「格安」「今ならお得」などの謳い文句で客を呼び込み、海外旅行のため100万円支払ったのにサイト運営会社は実態がない悪徳業者だったという、うっかりですまされないケースもある。
「近年、旅行予約サイトが増えており、信頼性の低い会社で格安チケットを購入したら、その会社が倒産してしまった、旅行業の登録がない詐欺業者だった、というケースもあります」(国民生活センター・相談情報部)
旅行ジャーナリストの村田和子さんは、「手軽で格安なのには必ず理由がある」と指摘する。
「本や食料品など、ネットでの売買が当たり前になり、利用者側にも少し油断が出てきていると感じます。プランの内容やキャンセルに関する事項を確認するのはもちろん、安いものには制約が多い、キャンセル料が高いなどデメリットがあることをしっかり認識して確認しましょう。理由なく安いものは裏があると思った方がいいでしょう。
また、ホームページの見た目だけでは業者の信頼性がわかりにくい。観光庁のサイトには、旅行業の登録情報や問題のある旅行会社情報が掲載されていますから有効に活用してください。情報量が多いネットだからこそ、自分でしっかり精査しなければいけないのです」
※女性セブン2015年5月28日号