3月30日からスタートしたNHK朝の連続テレビ小説『まれ』は、一大朝ドラブームを巻き起こした『あまちゃん』ぶりとなる、現代をテーマにした朝ドラ。幼い頃、東京から石川・能登に移住した現実的で「夢嫌い」なヒロインがパティシエになる夢を追うストーリーだが、視聴者からは「あまちゃんを思い出す」という声が…。そう、『まれ』と『あまちゃん』にはいくつもの共通点がある。
そもそも似ているのが、ヒロインのキャラクター設定。
『あまちゃん』の天野アキ(能年玲奈)と『まれ』の津村希(土屋太鳳)は、どちらも東京から田舎の漁村に引っ越してくるところから物語が始まる。さらに、アキの友達・足立ユイ(橋本愛)と希の友達・蔵本一子(清水富美加)はどちらも地元で生まれ育ち、東京に強い憧れを抱いているという関係も似ている。『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版刊)著者の田幸和歌子さんが言う。
「“よそ者”であるはずのアキや希が方言を話し、もともと地元にいたユイや一子よりも地元になじんでしまうところまでそっくりです」
田幸さんはこうも語る。
「母親と祖母がしっかり描かれているところもあまちゃんを思い出します。アキの祖母の夏ばっぱ(宮本信子)、母の天野春子(小泉今日子)、希の祖母代わりとなる桶作文(田中裕子)、母の津村藍子(常盤貴子)と、どちらも女3世代が主軸になっています。最近では希の実の祖母、ロベール幸枝(草笛光子)が新たに登場し、藍子との確執が描かれたところも夏ばっぱと春子の関係を彷彿とさせます」
文が物語のキーパーソンで、“ダメ夫”のお尻を叩くしっかり者の藍子が家族の大黒柱になっているのも、それぞれ夏ばっぱと春子に重なる。
※女性セブン2015年5月28日