皇室の公務に大きな変化が起きている。天皇・皇后が担ってきた「こどもの日」「敬老の日」の施設訪問が、今年からそれぞれ東宮家と秋篠宮家に引き継がれることになった。
今年の分担は皇太子が「こどもの日」、秋篠宮が「敬老の日」。宮内庁が両家と相談し、決まったという。しかしやはりというべきか、宮内庁関係者は雅子妃の進まぬ公務復帰がもたらす影響に懸念を抱いている。2つの公務の継承について宮内庁関係者がいう。
「両陛下が毎年大事にされていたご公務でしたが、お2人とも80代になられ、次世代の皇室を考えてのご決断でしょう。それを重く受け止めた皇太子殿下と秋篠宮殿下は膝をつき合わせて分担をご相談されたと聞いています。
皇太子さまがこどもの日を選ばれたのは、限られた回数とはいえ雅子さまがこれまで主に青少年に関する公務に出席されてきたことを勘案されたからと聞きます」
しかしそれほど細心を払って行なわれた引き継ぎにもかかわらず、「こどもの日公務」の日程は例年より大きく遅れ、本稿締め切りの5月14日に至っても発表されなかった。宮内庁担当記者が訝しむ。
「ゴールデンウィーク後の東宮大夫会見(5月8日)でも“いつ、どこでやるのか”と質問が出ましたが“まだ申し上げられません”と返答に窮していた。ゴールデンウィーク前から質問を続けているのに、ずっとはぐらかされてきた。例年は連休明けすぐに行なわれていました。昨年は5月8日に葛飾区立花の木小学校を訪問されています」
2013年は5月23日(江東区立越中島小学校)、2012年は6月11日(港区立芝浦アイランドこども園)、2011年は5月25日(あい・ぽーとステーション子育てひろば)と遅めの日程だったが、2013年は4月下旬に皇后が頸椎症性神経根症で体調を崩し、2011、2012年は5月に東日本大震災の被災地を訪問するなどいずれも特別な理由があった。
それ以前は外国訪問などがあったケースを除き、ほとんどが5月前半のうちに行なわれている。受け入れ先の施設にも4月頃には内々に打診があり、宮内庁記者会にも公務当日の1週間ほど前に発表があるのが通常である。記者たちが不安視するのも無理はない。
「5月の東宮ご一家のスケジュールは目立ったものがなく、日程調整の障害になる理由は見当たりません。ここまで決定が延びたのは、やはり雅子妃の体調が理由なのでしょう」(同前)
※週刊ポスト2015年5月29日号