スポーツ

長谷川滋利氏のMLB挑戦 野茂が「通用する」と太鼓判押した

野茂英雄氏とのエピソードを語る長谷川滋利氏

 1995年に野茂英雄氏がメジャーリーガーとして海を渡り、L.A.ドジャースで活躍してから20年。今や日本人メジャーリーガーは通算50人を超える。

 その中でも、1997年1月に日本人初となる金銭トレードでオリックス・ブルーウェーブからアナハイム・エンゼルス(いずれも当時)に移籍した長谷川滋利氏は、実は1995年に野茂氏が海を渡る以前から、メジャー移籍に向けた準備を進めていたという。

「オリックス時代からオフの自主トレを米西海岸にするなどアメリカでの生活を見据えていました。昔からアメリカの生活に憧れていたので日本球界とケンカ別れせずに、円満にメジャー移籍する道を模索していました。当時は日米間の移籍ルールがなく、いろいろと交渉しているうちに野茂君が先にメジャーに旅立ってしまったんです」

 長谷川氏と野茂氏はともに1968年8月生まれの同い年。アマチュア時代から交流があり、メジャーについて熱く語り合う仲だった。

 長谷川氏が希望を胸にアメリカに到着した直後、電話が鳴った。声の主は、野茂氏だった。

「どうやって僕の電話番号を知ったのかわからないけど(笑い)、わざわざ電話をかけてきてくれた。野茂君は『お前は低めにしっかりと投げさえすれば、絶対メジャーで通用するから』といってくれました。本当に嬉しかったですね。円満な移籍をさせてもらえた僕を『羨ましい』とも話していた」

 長谷川氏は1997年4月5日のインディアンス戦でメジャー初先発。10日後のヤンキース戦のリリーフ登板でメジャー初勝利を飾った。

 そして6月18日、対ドジャース戦。4万6000人の大観衆で埋まったドジャースタジアムで、ド軍先発の野茂氏が粘りの投球を続けるなか、6回裏に長谷川氏がエンゼルスの2番手投手として救援登板した。

 初の日本人投手対決──歴史がまたひとつ動いた日だった。

「2人で語り合った夢が現実になったと実感して、本当に胸が熱くなった。感無量でした」

関連キーワード

関連記事

トピックス

ブラジルを公式訪問している佳子さま(写真/アフロ)
佳子さま、外交関係樹立130周年のブラジルを公式訪問 子供たちと笑顔でハイタッチ、花柄のドレス姿も 
女性セブン
「寂しい見た目」の給食に批判が殺到(X /時事通信フォト)
《中国でもヤバい給食に批判殺到》ラー油かけご飯、唐揚げ1つ、「ご飯にたまご焼きだけ」と炎上した天津丼…日本・中国で相次ぐ貧相給食の背景にある“事情の違い”
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
家出した中学生を自宅に住まわせ売春させたとして逮捕された三ノ輪勝容疑者(左はInstagramより)
《顔面タトゥーの男が中学生売春》「地元の警察でも有名だと…」自称暴力団・三ノ輪勝容疑者(33)の“意外な素顔”と近隣住民が耳にしていた「若い女性の声」
NEWSポストセブン
山本賢太アナウンサーのプロフィール。「人生は超回復」がモットー(フジテレビ公式HPより)
《後悔と恥ずかしさ》フジ山本賢太アナが過去のオンラインカジノ利用で謝罪 「うちにも”オンカジ”が…」戦々恐々とする人たち
NEWSポストセブン
親日路線を貫いた尹政権を「日本に擦り寄る屈辱外交」と断じていた李在明氏(時事通信フォト)
韓国・李在明新大統領は親中派「習近平氏の接近は時間の問題」、高まる“日本有事”リスク 日米韓による中国包囲網から韓国が抜ける最悪のケースも
週刊ポスト
田中真一さんと真美子さん(左/リコーブラックラムズ東京の公式サイトより、右/レッドウェーブ公式サイトより)
《真美子さんとの約束》大谷翔平の義兄がラグビーチームを退団していた! 過去に大怪我も現役続行にこだわる「妹との共通点」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《「来来亭」の“ウジムシ混入ラーメン”動画が物議》本部が「他の客のラーメンへの混入」に公式回答「(動画の)お客様以外からのお問い合わせはございません」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン