「自然と試合が恋しくなり、試合でいい演技ができたときの達成感を感じたいと思った」。浅田真央(24才)が氷上に舞い戻る──。昨年5月に休養宣言をしてから1年、「ハーフハーフ」と明言を避けてきたその去就について、初めて自らの口で語った。スケート連盟関係者が語る。
「実は会見当日まで、連盟も真央が現役続投するか引退するか読めない状況でした。お母さんが亡くなって以来、真央はすべて1人で決めてきて、誰も口を挟めなかったんです。もちろん復帰を熱望していましたが、復帰したからといって勝てるわけではない。今、女子シングルは戦国時代ですから。それだけに正直なところ、よく決断したなと…」
現在、女子フィギュア界はロシアのトゥクタミシェワ(18才)やラジオノワ(16才)、リプニツカヤ(16才)、それに宮原知子(17才)など、新進気鋭の選手が活躍する。浅田は3月に佐藤信夫コーチに相談し、5月から練習を再開したばかり。「昨年の世界選手権のレベルまで持っていかないと試合に復帰できない」と語るように厳しい道のりが待っている。
「それでもこのタイミングで復帰したのは、やっぱり2011年に亡くなったお母さんに誓った“金メダルを獲りたい”という気持ちが大きいから。まだ気持ちが揺れているようですが、もし2018年の五輪で金を狙うとなると、今季復帰が最低ラインだったんです」(前出・スケート連盟関係者)
1年の休養で世界レベルに戻すのに3年かかる厳しい世界。それでも浅田はリンクを選んだ。
「休養の1年、髪を切ったり、食べたいものを食べたり、姉の舞さんや男の子たちと遊んだり、初めて普通の女の子の生活を満喫していたようにみえました。でも年頃の恋愛を捨てても、何よりも女王になることを目指したいと心に決めた。しかもジャンプよりも滑りを大切にしたいと言っています。ジャンプに固執していた休養以前の真央にはなかった発言です。以前にもまして強い彼女が帰ってくると思いますよ」(前出・スケート連盟関係者)
※女性セブン2015年6月4日号