ビジネス

学生のメール離れ 名無し送信や受信箱放置など無作法も増加

学生のメール離れは深刻

 科目「情報」が高校の必履修科目になって十年が過ぎ、内容の改定がされ履修を徹底するように呼びかけられたため、大学入学までにパソコンに触ったことがない学生はいない。まさに生まれたときからパソコンやインターネットがある生活環境で育ったデジタルネイティブな世代だが、メール離れが深刻で年々ひどくなる一方だという。

「課題をメールで提出させたら、ファイルが添付されていないので再提出するようにと返信しました。ところが反応がない。返信が届かなかったのかとLINEで確認を促すと、すぐに返事がありました。学生のメール離れは深刻です。提出物を送ったときくらいメールの確認を心がけてほしいものですが、これからはそこも含めて教えなければわからないのかもしれません」(50代の有名私大教員)

 メールの使い方について、教える時間をさらに増やす必要を感じていると神奈川大学非常勤講師の尾子洋一郎さんは言う。尾子さんが教える情報処理の講義では前期に必ず、一コマの半分ほどの時間を費やしてメールの使い方についてレクチャーするが、その後、課題提出のたびにメールの不備を指摘しながら指導し続けるのが常だという。

「メールの件名と名前がないのは普通です。署名も本文で名乗ることもしないから、誰からのメールかわかりません。高校の情報科目の教科書をみると、メールの使い方についての説明が載っているので教わっているはずなんですが、覚えていないんですね」

『平成25年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』(総務省情報通信政策研究所)によると、コミュニケーション系メディアで平日の行為者率がもっとも高いのは「メール利用」の50.7%だが、10代と20代ではメールよりもソーシャルメディア(SNS)の行為者率のほうが高い。特に10代では前年65.8%を記録していたメールの行為者率が36.3%へと激減、代わりにSNSが23.0%から43.5%へと伸びている。

 平均利用時間をみても、平日、休日ともに10代と20代ではメールよりもSNSのほうが長く、若年層ほどメールを利用しない傾向が強まっていることがわかる。利用する機会が少なければ、使い方を覚えられないだろう。

 そして、学生のメール離れが進んでいるのは、アドレスを頻繁に変更することが当たり前になっていること、LINEにあるようなスタンプによる簡単な感情表現ができにくいのも理由のひとつではないかと尾子さんは言う。

「失恋などで交友関係につまずくと、すぐにメールアドレスを変える傾向にあります。連絡を取りたいなら名前や電話番号で登録しているLINEやFacebookのメッセンジャーが確実だと考えているようです。電話番号だけで送信できるショートメール(SMS)の利用も多いですね。今年度の新入生にはガラケーユーザーがいませんでした。携帯電話が最初からスマホだった彼らは、LINEで未読か既読かを確認すれば返信と同じという感覚なんです」

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン