真夏日を記録する日が増えてきた。街を歩く人たちの服装も軽くなり、男性のショートパンツやハーフパンツ姿もあらわれている。すそから伸びる男性の脚は、最近どれも同じくらいのすね毛の濃さになっている……ようにも見える。本来は個人差があるはずのすね毛が似たような生え方になっているのは、彼らがお手入れをしているからだ。近年は、足や腕のムダ毛のお手入れは男性にとっても常識となりつつある。
今年1月に15~29歳までの男女を対象に実施された男性美容や身だしなみに関する調査によれば、男性のすね毛は「薄いほうがいい」という男性が57.3%、女性からは50.0%という回答だった。ほどよく処理すべき体毛・ムダ毛についての質問に、男性は鼻毛(57.9%)の次にすね毛(28.0%)を挙げている(株式会社マンダム調べ)。男性にとってすね毛のケアは重要な問題といえるのだ。
「女性よりも男性のほうが、すね毛について気にしているのは意外でした」というのは株式会社マンダム商品PR室の村上真紀さん。
「2月に足・腕の毛を自然に減らして薄くする『すきカミソリ』を発売したところ、計画に対して出荷量が20%上回る状態が続いています。何年も続いた猛暑の影響もあって、男性にもハーフパンツやショートパンツがファッションとして定着しました。他の人と比べて目立ちすぎない程度のすね毛でいたい、という気持ちからお手入れする男性が増えているのだと思います」
マンダムでは十年以上前に同様の商品を発売したが、そのときはあまり反響がなく廃盤になった。当時と今では、何が違うのか。
軽装による冷房の節約「クールビズ」が政府から推奨され、2012年からはさらにすすめて「スーパークールビズ」が打ち出された。その頃からアパレル業界などファッションに敏感な人たちがひざ上のパンツを仕事のときにも着用しはじめ、夏を迎えるごとにひざ小僧が見えるファッションの男性が他の業種にも増えた。猛暑とファッションの変化が、男性のすね毛事情に大きく影響している。