中国の習近平国家主席の警備について、5重の警護態勢を敷いていることが分かった。米国に拠点を置く中国情報専門の華字ニュースサイト「多維新聞網」が報じた。
それによると、第1が直接、習氏の身の回りをボディガードが警護する態勢だが、習氏の乗る専用車を2重、3重にして、長身でたくましい10人以上のボディガードが取り囲むという、アクション映画さながらのシーンが見られているという。
第2の警護態勢は習氏が視察する際、市民のなかに紛れ込んで、怪しい人物をチェックするもの。これは場合によっては、実際の市民よりも人数が多いこともしばしばあり得るという。
今年2月の陝西省視察の際、習氏が宿泊予定のホテルに爆弾が仕掛けられていたことが分かり、同省の警察が総動員され、聴衆のほとんどが警備関係者か、省政府関係者だったこともあったという。
第3は習氏が視察する場所近くの高い建物の上や、主要道路脇など周囲を定点で観察できる場所でじっと動かず、習氏の回りに目を光らせること。高い地点にいれば、習氏の命を狙う狙撃犯も見つけやすく、道路脇ならば、車の動きも分かり、怪しい車を発見しやすいというわけだ。
第4は事前に習氏が空港や鉄道の駅から視察する場所までの地図をチェックし、最も安全な移動経路を考えるもの。最も安全なのはどの場所からでも見通しが利く経路だという。
第5は習氏が暴漢に襲われるという万一の場合を想定して、随行団に医師や看護師を入れて、習氏の同じ血液型の血液を用意するほか、視察地周辺の病院をチェックし、すぐに緊急手術ができるよう、医師団を待機させる態勢を敷くこと。
これら5重の警護態勢は習氏が視察する際、毎回とられており、警護に関わる人員は1000人以上になるという。
多維新聞網によると、習氏が最高指導者に就任してほぼ2年半の間に20回近くも命を狙われる可能性を指摘されるケースがあったとされる。また、最近、習氏を警備するボディガードが属する党中央警衛局では最高責任者をはじめ200人以上の関係者が総入れ替えされるという事態が起こっている。