フジテレビの視聴率は惨状を極めている。かつて視聴率3冠を競い合った日テレのはるか後塵を拝し、TBSやテレ東と民放最下位争いを繰り広げている。
必勝を期して4月から始まった『世界HOTジャーナル』(金・夜7時~)、『おーい! ひろいき村』(土・夜7時~)、『ニュースな晩餐会』(日・夜7時58分~)などのバラエティは軒並み大コケ。GW前の週末は19~20時台で平均視聴率5%台、5月12日(火)のゴールデンの平均視聴率は6.6%でテレ東(7.8%)にも追い抜かれ最下位になるなど惨敗を喫している。
坂上忍でテコ入れを図った『バイキング』(月~金・昼11時55分~)も視聴率2%台に沈んでいる。
苦況に立たされた亀山千広社長は4月24日の定例会見で不振の原因として「ドラマ」と「土曜日」を挙げ、「正直苦戦。イライラしています」と吐き捨てたが、局員からは「もっとヤバイ番組がある」との声が漏れる。
4月改編の目玉だった『水曜歌謡祭』(水・夜7時57分~)と『直撃LIVEグッディ!』(月~金・昼1時55分~)の2番組だ。
ゴールデンで21年ぶりの音楽生番組となった『水曜歌謡祭』は、MCに「今一番、ノッてる熟女」森高千里をサプライズ起用した。
ところが新番組のオープニングで往年の名曲『私がオバさんになっても』のイントロが流れたものの、マイクを握ったのは和田アキ子とAKB48。森高はワンフレーズも歌わず、代名詞のミニスカも見られなかった。チグハグな内容で視聴者を裏切った同番組は視聴率6%前後を推移している。
もっと厳しいのが『グッディ』だ。長年『スーパーニュース』のキャスターを務めた安藤優子を鳴り物入りで起用するも、メイン視聴者の主婦層からソッポを向かれ、視聴率1%台が続く苦戦が続いている。
ライバルと定めた日テレ『ミヤネ屋』の関係者は、「当初は警戒していたが、心配したのがバカみたいだった」と鼻で笑うほどだ。フジテレビ関係者が暗い表情を浮かべる。
「安藤さんのキャラクターが全く前面に出てこないばかりか、彼女の一言二言が“上から目線”だと主婦層から総スカンを食っている。おかげで宮根さんの軽妙さがかえって目立つようになった。
焦った安藤さんは宣伝のため各メディアに露出を増やしているが、効果は現われていません。局内では早くも安藤さんの降板が囁かれ始めている」
※週刊ポスト2015年6月5日号