5月26日からプロ野球の「交流戦」が開幕する。今年は制度が大きく変わったものの、首位争いを大きく左右する交流戦は今年も波乱が予測される。『プロ野球なんでもランキング』(イースト・プレス刊)など野球関係の著書が多いライター・広尾晃氏の協力のもと、最新データから交流戦の展開を予測した。
交流戦は期間中、6連戦を3週こなす。つまり移動日なしの強行日程を強いられる(昨季までは基本的に2連戦で間に移動日を挟むパターンが多かった)。その移動のハードさが有利、不利を生じさせる。
6カードでの総移動距離と宿泊数を見てみよう(「移動距離」は球場から球場の距離を概算、「泊数」は自宅から通えない球場の場合のホテル宿泊数を本誌が推定した数字)。移動距離が長い球団から順に並べると、以下のようになる。
日本ハム:4967km、10泊
中日:3666km、10泊
巨人:3241km、8泊
ヤクルト:3214km、10泊
楽天:3174km、10泊
ソフトバンク:2995km、10泊
広島:2685km、10泊
阪神:2288km、7泊
ロッテ:1974km、7泊
オリックス:1533km、10泊
横浜:1264km、7泊
西武:1016km、5泊
最も有利となるのは埼玉・所沢を本拠地とする西武だ。5月26日に福島・郡山で行なわれる巨人戦と、6月2日からのナゴヤドームの中日3連戦以外は、すべて関東での試合。選手たちは「自宅から球場へ通える」と喜んでいるという。移動距離だけで考えれば日本ハムの約5分の1だ(もっとも日本ハムはもともと本拠地が他と比べて遠いためではある)。
セ・リーグでは巨人がハード。郡山での開幕から東京に戻り、第1週後半には仙台だから移動日なしで東北へUターン。第2週はすべて東京ドームだが、第3週はまず札幌に飛び、続いて週末に千葉に行く。
知恵を絞って編み出した日程なのだろうが、新幹線や飛行機に乗って球場を駆けまわる選手の負担を考えれば、不平等が浮き彫りになる。ほとんど関東近郊で済む西武が有利であることは間違いない。
※週刊ポスト2015年6月5日号