100円が1分半で2000万円を超える大金に──。夢のような話が現実になったGI・ヴィクトリアマイル(5月17日・東京競馬場)。JRA史上2番目となる高配当・3連単2070万5810円の立役者が、最低18番人気のミナレットを3着に入線させた江田照男騎手(43)である。
この男、なにかと大レースで大仕事をやってのける。2000年のスプリンターズステークス(GI)では最低人気のダイタクヤマトで逃げ切りV。2012年の日経賞(GII)でも12番人気のネコパンチで大金星を挙げるなど、数多の番狂わせを演出してきた。
競馬ファンならずとも一度はその恩恵にあずかりたい「万馬券男」エダテル。その買い方を、スポーツ紙の競馬担当記者に聞いた。
「江田騎手は大舞台ほど大胆な作戦に出ることが多い。重賞やメインレースでマークが甘くなる人気薄の逃げ馬や先行馬に乗る時はチャンス。彼の思い切りのいい先行策がはまりやすい中山競馬場のような、小回りで直線が短いコースでは特に狙い目ですね」
馬場状態も大いに参考にすべきだと続ける。
「2001年以降の通算成績では、江田騎手は芝コースの良馬場で勝率4.5%、連対率9.6%なのに対し、重馬場では勝率5.8%、連対率13.1%。不良馬場の勝率はさらに上がって9.3%、連対率は17.5%にもなります。重馬場の時に騎乗した馬を単勝で買い続けた場合の回収率(払い戻し金額を投資金額で割った数字)も156%と非常に高い。馬場が悪い時は“買い”ですね」
また、“勝負師”の手綱さばきは不利な状況でこそ輝きを増す。競馬専門紙のベテラン記者が語る。
「競馬ではロスが少なく経済コースを進める内枠発走が有利だが、エダテルは大外18番枠の勝率が枠順別では最も高く7%超え。また、前走トップジョッキーが騎乗していた馬に乗る場合は“鞍上弱化”とみられがちだが、エダテルはエビショウ(蛯名正義騎手)やヨシトミ(柴田善臣騎手)からの乗り代わりで結果を出すことが多い。特にノリ(横山典弘騎手)が前走で乗った馬に騎乗した時は勝率10.9%、単勝回収率は約200%。このケースに当てはまる場合は、思い切って単勝勝負だね」
これらの条件が揃うレースが「一攫千金」の大チャンスとなるのだ。
(文中、勝率などは5月22日までの数字)
撮影■フォトチェスナット
※週刊ポスト2015年6月5日号