26年間にわたってフィリピンで買春を繰り返し、のべ1万2000人以上と性行為に及んだ横浜市立中学校の校長(64)が逮捕されたことは大きな波紋を呼んだ。「人数」こそ特殊だが、同じようなわいせつ教師は全国にうじゃうじゃいる。
新年度がスタートして間もない4月29日、東京都台東区の区立駒形中学校校長(59)が20代女性のアパートの部屋に侵入しようとして、住居侵入未遂の疑いで逮捕された。同校長は帰宅途中の女性の後をつけて部屋の扉を開け、女性の悲鳴を聞いた通行人に取り押さえられた。「女性と帰る方向が一緒で、興味があった」と容疑を認めた。
文部科学省が今年1月にまとめた「公立学校教職員の人事行政状況調査」によると、2013年度に懲戒や訓告を受けた教師は9494人。特徴的なのは、体罰やわいせつ行為により処分を受けた教師の増加だ。
体罰による被処分者は3953人で、前年度(2253人)と比べて約1.8倍。「わいせつ行為等」により処分を受けた教師は過去最多の205人(前年度187人)で、初めて200人を超えた。わいせつ行為の内容は、
●「体に触る」が56人
●「盗撮・のぞき」が37人
●「性交」が30人
●「接吻」が23人
●「文書・画像等による性的いやがらせ」が19人
などとなっている。
「文書・画像等による性的いやがらせ」にはスマートフォン向け無料通信アプリ「LINE」などを用いて卑猥な内容を児童・生徒に送り付ける、などが含まれる。
わいせつ行為の被害者は、「自校の生徒・児童」で45.4%と約半数を占める。他は「自校の卒業生」「18歳未満の者」「自校の教職員」「他校の教職員」で合わせて約30%、残りが「その他一般人」だ。
処分を受けた205人のうち、懲戒処分(免職・停職・減給・戒告)は180人だった。なかでも最も重い「免職」となった教師が最多の117人に上り、同年度に免職となった全教師196人の半数以上を占めた。
※週刊ポスト2015年6月5日号