壇上での出で立ちは三者三様なれど、謙虚に己と向き合い、作品に情熱を注いできた姿勢は同じだった。
今年で68回を数える「日本推理作家協会賞」の贈呈式が5月20日、新橋の第一ホテル東京で行なわれた。
今年は「長編および連作短編集部門」で月村了衛氏(写真右)の『土漠の花』と早見和真氏(同中央)の『イノセント・デイズ』が、「評論その他の部門」で喜国雅彦氏(同左)の『本棚探偵最後の挨拶』と霜月蒼氏(この日は欠席)の『アガサ・クリスティー完全攻略』が受賞。4人は歴史に燦然と名を残す作家たちの仲間入りを果たした。
「推理作家協会賞」はプロの作家が運営する文学賞で、下読みから選考まですべてを作家が担当。すなわち、受賞作は一流作家が太鼓判を押すほど面白いのである。どんな作品か、ぜひお確かめください。
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2015年6月5日号