「好物はカレーライスにラーメン、お寿司と太りやすいものばかり。おまけに仕事が忙しいから、早食いが身についていました。小腹を満たすのは、パパッと作って食べられるサンドイッチやおにぎり。そりゃ、太りますよね」
当時の自分を振り返るのは、1年間で26kgの減量(73kg→47kg)に成功した料理研究家の柳澤英子さん(55才・以下「」内同)。手を出したダイエットは数知れず。カロリー制限、断食、エステやジム通いetc.。
「お金で換算すると、2000万円は使っているかも(笑い)。でも、結果は“3kgやせては5kg太る”の繰り返し。思えば、それまでのダイエットは食べることを我慢してばかりでした。筋力が落ちて体脂肪が増えるという悪循環に陥り、50才の健康診断では、体脂肪率48%にも。ほとんどの数値に異常があり、それで人生最後のダイエットを決意しました」
料理研究家は食べるのが仕事。太っても仕方ないと、自分自身を納得させていたが、健康診断の数値を見た時、長年仕事で培った食や栄養に関する知識をもって冷静に考えれば、それはいいわけでしかなかった。
「代謝が落ち、体力も衰える50代だからこそ、“きちんと食べて健康的にやせる”を目指し、“やせる食べ方”と“食べてもやせるおかず”を考えました。しかも、お腹がすいたときに、あらかじめ太りにくい料理をたくさん作っておけば、糖質たっぷりのカレーやラーメンに手を出さなくていいと、気づいたんです」
柳澤さんが作りおきのおかずを調理するうえで最も重視したのは、血糖値を上げる糖質の量を制限すること。
「食事を摂る時、血糖値の上昇が急激だと、体脂肪が増えてしまうからです」
ごはんやパン、麺類などの炭水化物は糖質のかたまりのため、食べなければ確実にやせる。
「でも、やっぱりお米は食べたい。お米抜きだと、ストレスでダイエットが続かないんですよね。私はお米にこんにゃくでできた加工食品を混ぜて食べるほか、食べる順番は、血糖値の上昇がゆるやかになるといわれる食事の最後にしています」
血糖値の急上昇を抑えるほか、満腹中枢を刺激するために、生野菜を最初に食べるようにもしている。
「生野菜を積極的に摂ることは、代謝をスムーズにしてやせやすくしてくれる酵素をたくさん取り込むという目的もあります」
野菜というと忘れてならないのが、多く含まれる食物繊維。実は、野菜には水溶性と不溶性の2種類の食物繊維があることをご存じだろうか。
一般的に、不溶性食物繊維は便秘を防ぐ効果があることは知られているが、柳澤さんが意識して摂り入れたのが、消化吸収のスピードを遅くし、コレステロール値の正常化に役立つ、水溶性食物繊維だ。これも血糖値の上昇を防いでくれるのだ。
※女性セブン2015年6月11日号