4月16日、都内ホテル――。
壇上に立ったのは、この日の主役で、昨年喜寿を迎えた左とん平(78才)。
「私、芸能界に20才のときに入ったんですけど、以来57年間ちゃんとご飯を食べられて、家も建てられました。これから、あと何年現役でできるかわかりませんが、あと3年後には80才。次は傘寿の会でお会いしましょう(笑い)」
井上順が司会を務め、小柳ルミ子が『今さらジロー』を、あおい輝彦が『二人の世界』を熱唱し、コロッケ、栗田貫一、清水アキラがモノマネを披露。ザ・ドリフターズからは加藤茶、高木ブー、仲本工事が、スポーツ界からはラグビーの松尾雄治、競輪の中野浩一、プロ野球の張本勲、槙原寛己、水野雄仁らが駆けつけた「左とん平 喜寿お祝いパーティー」は爆笑に次ぐ爆笑の連続だった。
とん平と親交のある会社社長が「とんちゃんは昔、いつもバクチで負けてばっかりで」と言えば、別の社長は「だからいつも金で苦労していた」と暴露する。
これを聞いていた清水アキラは「あなた、人を心配させてばかりの人生だね」とチクリ。そのたびに会場にはあたたかい笑いが沸き起こった。
森繁久彌や三木のり平に憧れて芸能界入り。以来、最後の喜劇人、名脇役として芸能界を生き抜いてきた。その一方で、三十数年前には賭博で3度も逮捕されたこともある。
「バクチはストレス解消なんだよね。もちろん80%はやられるよ。でも、負けてもストレスにならない。むしろ、負ければそれが働く意欲になるから。それにしても、今までどれぐらい負けたかな? 2億、いや3億…、イヤになっちゃうから考えるのはやめとこうか(笑い)」
取材・文■ノンフィクションライター・長谷川晶一
※女性セブン 2015年6月11日号