NHK大河ドラマ『花燃ゆ』は山口県荻市が舞台。同市の旧城下町・菊屋横町には、吉田松陰の弟子である幕末志士・高杉晋作の「生家」があるとしても有名なのだが、これに関する疑惑があると6月1日発売の週刊ポスト(6月12日号)が報じている。
高杉は、武士と庶民の混成部隊「奇兵隊」を組織、長州藩を倒幕に向かわせた。大河ドラマでは若手人気俳優の高良健吾が高杉役を務めている。
菊屋横町には「高杉晋作誕生地」の石碑が立っており、その「生家」には入館料100円(中高生は50円)を払って多くの観光客が訪れる。萩市観光協会もネット上で説明、NHKの花燃ゆ公式ガイドブックでも紹介されている。
ところが、「高杉晋作の生家」と喧伝されるこの屋敷、その触れ込みとは異なり、高杉が生まれ育った当時とは全く別の建物である疑いが強い。2000年に梅渓昇・大阪大学名誉教授がこの屋敷について検証したレポートがある。そのレポートによれば、もともとの屋敷が半分に分けられたのは現地で配られる冊子の説明の通りだが、現存する部分は旧材を用いて改築された別の建物だというのである。
梅渓氏は同誌の取材にこう答えた。
「当時のレポートに書いてある通りです。今頃になって地元で高杉が生まれ育った家だと取り上げられていることが理解できない」
同誌は現在の土地・建物の所有者、及び萩市の担当者、NHKにも取材し、疑惑について検証している。