交流戦が始まり、盛り上がりをみせるプロ野球だが、ちょっと心配なことがある。多いのだ、危険球が──。
5月24日のDeNA対阪神戦では、9回にDeNAの抑えのエース・山崎康晃が阪神の上本博紀の頭部に死球。乱闘騒ぎへと発展したのは記憶に新しいが、今季、危険球で退場した投手は、交流戦前までの約2か月で既に9人に上る。
昨季の6人を早くも上回る異常なペースに、球界ではある噂が囁かれている。スポーツ紙の記者が語る。
「今年は交流戦前の本塁打が昨年より100本以上少なく(セ・パ総計)、選手の間からは『ボールが飛ばない』という話が聞こえてきます。危険球が増えた原因も、この“飛ばないボール”にあるのではないかといわれているんです」
“飛ばないボール”と聞けば、統一球問題を思い出す方も多いだろう。2012年シーズンの統一球に反発係数の規格に満たないボールが混ざっていた問題である。
「当時、多くの投手が『ボールが滑る』と口にしていました。実際、2011年には7回だった危険球退場が、2012年は11回に増えた。今季のあまりの多さには、2012年時に使用しきれなかった在庫品のボールが混入しているのではと疑う人までいるくらいです」(前出・記者)
選手生命にもかかわる頭部への死球。これ以上頻発するようなら、NPBは原因を調査すべきではないだろうか。
※週刊ポスト2015年6月12日号