汚職で摘発された中国共産党の令計画・元中央弁公庁主任が、左遷される直前、党内の重要機密文書や、毎日の仕事の内容を記した業務日誌などを大量に処分していたことが分かった。香港誌「博訊(ボシュン)」最新号が中国最高指導部に近い関係筋の情報として報じた。
党中央弁公庁主任は党内の事務方のトップポストで、日本の官房長官に当たり、当時の胡錦濤総書記の側近中の側近に当たる重要ポスト。日常的に党の最高機密に接しており、処分した重要機密文書は2700通以上で、政治、軍事、経済、文化など多岐にわたっている。
このなかには、習近平指導部内の最高幹部の女性関係や秘密資産などのプライベートな情報も含まれており、この一部が外部に漏れたほか、米政府にも渡っており、習近平指導部はその行方に重大な関心を寄せている。
令氏は北京・中南海の職場のほか、北京市郊外の玉泉山に秘密の事務所を設けており、そこに令氏が無断で書類を持ち込み、処分していたとみられる。その秘密の拠点で管理を任されていた党の職員が自殺をしており、当局は汚職との関連を調べている。
令氏が大量の機密文書を処分したことが分かったのは、クリーニングに出された令氏の衣服に処分に使ったとみられる化学薬品が付着していたためだ。
また、同誌によると、現在取り調べを受けている令氏は記憶障害などの症状があり、これまでに3回、人民解放軍傘下の病院の精神病棟に入院しているが、「取り調べを逃れるための仮病」との見方も強い。
また、令氏の汚職に深く関わった妻も逮捕されているが、自殺未遂を2度起こしている。さらに、令氏の子息も汚職に関わっているとされるが、現在、米国に逃亡しており、習近平指導部は捜査員を米国に派遣して行方を追っているという。