投手として開幕から無傷の連勝を続ける日本ハム・大谷翔平。だが不安がある。相変わらず直らない「つり癖」だ。
大谷はプロ入りして以来、度々投球中に右足ふくらはぎがつる。今季は3月27日の開幕戦で6回途中、そして4月26日のオリックス戦で5回で降板している。昨年も4月と6月に同じことがあった。
今季開幕前の沖縄キャンプで大谷と対談し、いくつかのアドバイスを送った400勝投手でカネやんこと金田正一氏が語る。
「ワシは左投げだから左足のふくらはぎがつった。つまりプレート板を蹴るほうの足がつるんだ。これは下半身をよく使って投げている、良い投げ方をしている証拠。だがもちろんつらないよう注意するのが基本だ。
足への負担が大きいから走り込んで鍛え、常にトレーナーを従えて食べ物にも気を遣う。足を冷やさないようにするのも大事だ。今の選手は、暑いからと短パンを穿いて、何のケアもしない。大谷も同じだろう。体のケアができないと一流の選手とはいえません」
さらに金田氏は、「足がつるというのは体からの“警告”なんじゃ。対処を間違うと大変なことになるぞ」と続ける。
「万が一、足がつらないよう庇(かば)う投げ方になると、今度は上体で投げようとしてヒジや肩を壊してしまう。つることが下半身の鍛錬不足、体のケア不足であることを教えてやれる指導者がいないと、間違った方向へ行ってしまう。
監督が野球の素人だから、指導もできずこんなことになるんだ」
球界の至宝を託された栗山英樹監督の責任は重い。
※週刊ポスト2015年6月12日号