「大阪都構想」が終焉を迎え、それと入れ違いに大阪で新しい活動が勢いづいている。
「『洗体エステ』です。もともと沖縄で生まれ、1年ほど前に大阪に進出してきました。最近ではバリ島の高級リゾートをイメージした内装を施した完全個室の豪華洗体エステも登場するなど、業界はにわかに活気づいています」(風俗業界関係者)
洗体エステとは、男性がアンダーウェアをはいてベッドに横たわり、エステティシャンがボディソープを泡立て、その泡を使って体を洗ってくれるサービス。現在大阪市内に15店舗ほどあり、料金は60分1万円ほどの店が多い。
「少しずつ店舗数が増えています。もともと大阪は沖縄から移住してくる人が多く、本場・沖縄の洗体エステが密かな人気だった」(同前)
というが、最近になって急に大きな広告が目立ち始めるなど活気が出てきた。きっかけは、橋下徹市長が今年12月の任期満了での政界引退を表明したことだ。
「府知事、市長時代を通じて、橋下さんは風俗業界への規制と取り締まりを強化した。大阪の業者は“大阪の規制は全国一キツい”とこぼしていたくらいです」(市政担当記者)
橋下氏は7人の子持ちだけあって、教育と治安対策には人一倍熱心だ。府知事時代の2009年4月には全国で初めて条例でソープランドをはじめとする性風俗店の案内所の営業を府内全域で禁止。
昨年6月には「客引き行為等の適正化に関する条例」を施行し、市内でキタやミナミを指定して客引きを禁止した。風俗嬢のスカウトも姿を消したという。
「結果、業界では橋下さんへの反発が強まった。ふだんは選挙なんてまったく興味のない風俗店の女の子が、“不在者投票で反対票を入れてきた”なんていっていました」(風俗店関係者)
まさかそれが住民投票の僅差の否定につながったとまではいわないが、橋下治政下の大阪では風俗店の生き残りを懸けたディスカウント合戦が繰り広げられ、関係者は悲鳴を上げていた。そして橋下市長の引退を前に、洗体エステが先頭を切って活気づいているということらしい。
「洗体は過激な性的サービスがないぶん働く女性のレベルは高い。当局の目も比較的甘い。それゆえ人気を保ち続けた。それが今爆発した形です」(前出・風俗業界関係者)
※週刊ポスト2015年6月12日号