国会では「自衛隊員のリスク」をめぐって安保法制関連法案の審議が紛糾している中、渦中の自衛隊内部の大問題を、2015年6月8日発売の「週刊ポスト」6月19日号が報じている。
警視庁が極秘捜査を進めているのは、陸上自衛隊において幕僚長、副長に次ぐナンバー3と認識される「方面総監」にまで上りつめ、すでに退官したA氏が、在日ロシア大使館の国防武官として来日していたロシア人男性と接触したという事件だ。方面総監とは、5つある方面隊のひとつで自衛官数万人のトップに立つ人物。一方、ロシア大使館において国防武官は、ナンバー2の公使と同格の重要ポストとされる。
公安関係者は、A氏がロシア人男性に自衛隊内で使用されている『教範』2冊を渡したという情報を掴んだことを明かしている。「教範」とは自衛隊内で使われるマニュアルのことで、国防の大方針から、作戦や武器の扱いに関することまで、テーマ別に分かれていて数百種類あるとされる。
同誌は、真意を聞くため、A氏の自宅を複数回訪れたが、インターフォン越しに応対した家人が不在を告げるばかりだったと報告。また記事中では、防衛省や防衛省関係者などのコメントも紹介している。