東京都が公表する「震災発生時の火災危険度上位100町丁目リスト」によれば、1位・足立区千住柳町、2位・足立区柳原2丁目、3位荒川区町屋4丁目など、下町地域が上位に並ぶ。
詳細は東京都都市整備局のホームページなどで確認できるが、いずれも古い民家が密集する住宅地ばかりだ。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が指摘する。
「大田区、品川区、杉並区、中野区なども人口が多いうえ、燃えやすい木造住宅が密集している。狭い道路に住宅が崩落すると消防車が近寄れず、消火活動がほぼ不可能になって一面の焼け野原になりかねない」
5月30日に小笠原諸島西方沖で発生したマグニチュード8.1の地震では、一時的とはいえ関東でも交通網が麻痺した。平日の通勤時間帯に地震が発生すれば、被害はより拡大する。
「地下鉄よりも地上を走る路線のほうが危険は大きいと考えられる。特に山手線圏内には耐震性の低い橋脚が多く、地震で崩落すれば車両が脱線や衝突をしかねない。
特に目黒駅付近では線路の間際まで旧耐震基準のビルや建物が迫っており、落下物や崩落によって車両に被害が発生する怖れもあります」(前出・和田氏)
今年4月には山手線の支柱が倒壊する事態を招いただけに不安が募る。
※週刊ポスト2015年6月19日号