相撲協会と相撲記者の癒着の歴史は古い。協会や力士に不都合な場面を目撃しても黙認してきた。しかし、協会に残らないとなると途端に手の平を返して批判する。そのいい例が白鵬だ。昨今は記者が「生意気だ」と白鵬を批判するようになっている。
国技・大相撲と並ぶ国民的娯楽であるプロ野球の担当記者も同じ穴のムジナだ。球団の監督人事にまで介入することも珍しくない。
「ストーブリーグの盛り上がりで知られる阪神は、監督の解任騒動が出るたびに各社が自紙の専属評論家の売り込み記事で熱戦を繰り広げる。報知が掛布雅之氏を推す記事を書けば、GMの中村勝広氏を抱えるスポニチが実現させないために動き、デイリーは岡田彰布氏を推すといった具合です」(スポーツジャーナリスト)
阪神初の外様監督となった野村克也氏のケースでは、記者が“球団職員”として動いていたという。球団関係者が明かす。
「球団と野村さんにはパイプがなかったが、当時のオーナーと親密だった某スポーツ紙記者が、両者の伝書鳩となって動いていた」
読者やファンのためではなく、球団のためにトレードやFAの情報収集に当たる。「球界は俺が動かしている」とフィクサー気取りの記者もいるから重症だ。
※週刊ポスト2015年6月19日号