梅雨の季節は外に出かけるのもおっくうなもの。ましてやスポーツ観戦は敬遠されがち。しかしサッカーは雨でも決行される競技のため、観客もずぶ濡れになるイメージがあるが、実は雨に濡れない屋根付きスタジアムは少なくない。2002年に日韓でサッカーワールド杯が開催されたことに伴い、「客席の3分の2以上を屋根で覆う」というW杯規定を満たすサッカー専用の競技場が作られたからだ。
W杯で使用された宮城、鹿島、神戸など10か所のスタジアムがその条件を満たしている。
「鹿島スタジアムはスタンド全面が屋根付きで雨の日でも全く問題ない。しかもスタンドとピッチの距離が近いので迫力があります」(スポーツ紙サッカー担当記者)
他のスタジアムでも屋根のある席を事前に知っておけば安心だ。
「例えば埼玉はゴール裏に屋根がないので、ゴールを決める瞬間を見ようと陣取るのはやめたほうがいい。屋根のあるスタジアムでも下層スタンド15列目より前は屋根から外れ、風向きによって濡れることが少なくないので避けるのが賢明」(同前)
梅雨の季節は確実に濡れない、記者席に近いスタンド上層部がいい。パスをもらおうと前に出る選手や、キーパーの動きなど、野球同様に全体像がみやすいメリットがある。
雨の日ならではの試合の面白さについて、メキシコ五輪得点王の釜本邦茂氏はこう話す。
「濡れた芝でボールにスピンがかからず予想外の動きをしたり、地面が濡れて転がりにくくなるのでゴール前でボールが奪われやすくなったりする。そのために晴天時よりもカウンター攻撃や逆に攻め込まれてのゴールシーンが増える。そういうことを頭に入れてプレーを見れば面白さが増すでしょう」
※週刊ポスト2015年6月26日号