梅雨到来。野球観戦において、雨の日でも楽しめるのがドーム球場のいいところ。濡れないからというだけでなく、梅雨の時期の観戦はおすすめだ。各球団とも球場観戦者向けのイベントが増えるからだ。ドーム球場とはいえ、雨が降っても客足が遠のかないように各球団はファンサービスを強化している。
ソフトバンクは6月29日の東京ドームで開催する西武戦から、7月26日までの8試合で「鷹の祭典」を開催する。来場者には選手とお揃いの黄色い特製ユニフォームがプレゼントされ、事前申し込みで球場見学や選手のサイン・握手会に参加できる。
巨人も「橙魂(とうこん)」と称して、オレンジのユニフォームをプレゼントするイベントがある。6月24日に東京ドームで行なわれる横浜戦では来場者全員に配布される。また、7月11日には「キッズスタッフ体験デー」として、抽選で場内アナウンス体験や試合前のブルペンやベンチが見学できるスペシャルツアーもある。
ドーム球場を本拠地に持たないのは阪神、ヤクルト、横浜、広島、楽天、ロッテの6球団。これらの球場では、予備日が限られるなどの理由で多少の雨なら決行される。
屋外球場とはいえ、ポイントを押さえれば雨に濡れる心配はない。
例えば甲子園の場合、銀傘といわれる内野席を覆う屋根がある。屋根の覆いが届かない前から4段目までは濡れるので注意が必要だが、バックネット裏の上段席は濡れる心配が少ない。同じく屋根のある千葉マリンでは、外野席上段と内野席2階の一部分が濡れずに観戦できる。普段なら見晴らしの良い指定席はずぶ濡れになるのでNGだ。
「基本的にどの球場もバックネット裏最上段は屋根があって濡れない。見にくいイメージがあるかもしれないが、実はここには新聞記者たちが座る記者席があることが多いように、試合は問題なく見られる。テレビ放送では分からない選手全体の動きがわかるので、通の特等席です」(スポーツ紙記者)
屋外球場でも、雨天ならではの楽しみ方がある。プロ野球評論家の広澤克実氏が見どころを語る。
「雨でぬかるみやすい土のグラウンドでは盗塁が減り、人工芝では滑り込みが楽になるので盗塁が増える。雨だと球場によって戦術が変わるのが野球の面白さです」
※週刊ポスト2015年6月26日号