雨降りの季節になると、休日のレジャーもインドアになりがち。ましてスポーツ観戦は敬遠されやすいが、競馬場は観客席に屋根があるので観戦に支障はない。荒天による中止もほとんどない。しかも大穴が出やすいというスリルもある。スポーツ紙競馬担当記者が語る。
「我々がいうのも何ですが、雨の季節の専門家の予想は疑ってかかったほうがいい。馬が驚くので取材の際は傘がさせない。そのため、トレセンでの取材では濡れるのが嫌で綿密な取材を怠りがちなんです。だから、追い切りの日に雨が降ると競馬予想の詰めが甘いことがある」
雨の日のレースそのものが予想外の展開になりやすいのも理由の1つだ。
「有力馬ほど怪我を恐れますから、騎手が無理をさせないので、逃げ馬がそのまま逃げ切ってしまうレースがよくある。ダートだと馬場が湿り気で固くなり、差し一辺倒の穴馬が猛烈に突っ込んできて波乱になりやすい」(同前)
28日には春シーズン最後のGIとなる宝塚記念が阪神競馬場で開催される。当然、雨のレース展開も予想される。
「3連覇のかかるゴールドシップはファン投票で1位になるなど注目度が高い。しかし、過去の宝塚記念のレースを見ると、晴れや曇りの日こそ人気馬が上位に入っているが、雨の日は番狂わせが起きやすくなっている」(同前)
例えば雨で馬場状態が稍重だった2007年は1番人気が8着に沈み、重だった2008年は11番人気が3着に食い込んでいる。
人間と同じで馬が雨を嫌がり、気合が入らないこともある。パドックで細かいチェックをする「目」が試される季節でもあるので、我こそはという馬券師こそ、梅雨は競馬場に足を運ぶべきなのだ。
※週刊ポスト2015年6月26日号