7月2日から6日の日程で南太平洋の島国トンガを公式訪問されることが決定した皇太子ご夫妻。
「4月初旬にトンガ政府からツポウ6世の戴冠式に皇族を招きたいと連絡があり、宮内庁は療養中の雅子さま(51才)の体調を考慮しながら、ご夫妻での出席を検討してきました。東宮職医師団とも相談した結果、出席される行事を絞れば訪問は可能と判断し、雅子さまのご訪問を決めたのです」(皇室記者)
実現すれば、雅子さまにとって2013年4~5月のオランダ以来、約2年2か月ぶりの海外訪問となるが、今回はオランダ訪問とは違う態勢が敷かれるという。
「今回のトンガご訪問では、雅子さまの主治医である大野裕医師(65才)が日本に残ることになったのです」(前出・皇室記者)
うつ病や適応障害の権威として学会では広く知られる大野氏が雅子さまの主治医となったのは2004年6月のこと。雅子さまを適応障害と診断したのも大野氏だった。
「雅子さまが病気になられた当初、大野先生は週に1度は東宮御所を訪ね、雅子さまの治療にあたられていました。雅子さまはときに個室で先生と向き合われ、2~3時間も話し込まれて日付が変わったこともあったそうです。先生は雅子さまの話がどんなに長くなられても、いつも真摯に耳を傾けていたようです。また電話でも頻繁に連絡を取られ、悩みを相談されることも多かったと聞いております」(宮内庁関係者)
毎年、雅子さまの誕生日(12月9日)に宮内庁が発表する「東宮職医師団の見解」の草案を書くのも大野氏だ。それだけ雅子さまは大野氏に大きな信頼を寄せてきた。
「大野先生は宮内庁に公的な肩書はなく、あくまで私的な担当医です。そんな彼がオランダまで随行したのは、雅子さまの強い希望があったからでした。ただただ雅子さまは大野先生が一緒だと安心するというのが理由だったんです」(前出・宮内庁関係者)
超異例の形でオランダまで同行した大野氏だが、今回は前述の通り、トンガへの同行はないという。
「このところ宮中晩餐会に出席されるなど、数多くのご公務を果たされ、元気なお姿を見せられています。それだけ雅子さまも自信を深められているんだと思いますよ。その様子をご覧になり、手応えを感じ始めた大野先生は“大勝負”に出たんだと思います」(前出・宮内庁関係者)
大野氏が決断した“大勝負”とは…。クリニック西川の西川嘉伸院長はこう話す。
「治療の過程で、最終的に患者さんと治療的距離を置かなければならないときがきます。もちろん、その際に悪くなってしまう可能性も否定できませんが、ある程度の段階になったら“とにかくやってみるしかない”というときが必ずやってくるんです」
つまり大野氏も雅子さまの治療過程が最終段階にきている、と考えているのかもしれない。
トンガに同行しない理由を自宅に帰宅した大野氏に直撃すると、「いつもお疲れ様です」と言うのみだった。だが、以前とは違い、今回は女性セブン記者に対して、笑みを浮かべ、小さく手を振りながら家の中へと消えていった。その笑顔からは、雅子さまの治療に光が見えてきていることがうかがえた。
※女性セブン2015年7月2日号