動画サイト『YouTube』に、独自の動画を公開しているYouTuberたち。タレントのように有名になる人もれば、その広告収入で生計を立てている人もいる。そこで今回は、日本のみならず海外からも人気の高いチャンネル『妄想グルメ』の制作者である伊藤元亮さん、里惠子さん夫妻を直撃。『妄想グルメ』は、主に子供のキャラ弁やスイーツデコなどの見た目も楽しい料理を紹介し、現在のチャンネル登録者は90万人以上。その人気の秘密や制作のコツを教えてもらった。
――動画投稿をはじめたきっかけを教えてください。
元亮(以下、元):2008年の終わりごろにYouTubeで動画が見られることを知って、2009年の1月ごろに初めて投稿しました。初めは何もわからず普通のデジカメで撮っていました。
——はじめから料理の動画ではなかったんですよね。
元:はじめはいわゆる日常の「これを食べました~」「~~に行きました」などブログに載せるような日常の記録を載せていました。『妄想グルメ』というのは、もともとその名前でブログをしていたので、それを使いました。
――動画の制作や動画で稼ぐことに興味があったのですか。
元:サラリーマンをやめて自営業で働いているときにインターネットでお金を稼ぐ方法や、広告やバナーを貼ってお金を稼ぐ方法を知って、そういうことは何となくやっていました。
でも、文章を書くのは得意ではないし、写真の場合は結局説明の文章が必要になりますよね。その点、動画だったら見ているだけでわかってもらえる。説明は不要なので、自分に合っているなと思いました。
――ブレイクしたきっかけはあったのですか。
元:そうですね、ブレイクというか投稿を続けている間に、何度か自分たちが盛り上がれる出来事があったんですよ。
子供のキャラ弁をアップしたことがあったんです。そしたら、海外でそこそこ受けて、こういうのが受けるのかとわかりました。そのうちテレビで取り上げられたりもしたんです。
今は誰でもオリジナル動画を投稿すれば収益化することができますが、当時はYouTubeから招待してもらわないとできなくて、運よく2010年にYouTubeから「収益化できますよ」と連絡があった。
2011年にYouTubeが当時収益を受け取っていた人(パートナーと呼ばれる)を集めたフォーラムがあって、それに私と奥さんとで参加しました。そのときに、みんな自分たちと同じ一般の人たちがやっているということがわかって、刺激になりましたね。
その頃はまとまった収入ではなかったですが、ポロポロとお金が入ってきていたので、奥さんはスイッチが入ったみたいです(笑い)。
———そのあたりから本格的になったのですか。