8年ぶりの日本復帰を果たした広島・黒田博樹(40)。メジャー球団から年俸20億円といわれる高額オファーを提示されたにもかかわらず、古巣に5分の1の金額である4億円(推定)で戻ってきたことで、野球ファンの間では「男気」が流行語になっている。黒田はファンの期待を一身に背負ったなかで、交流戦終了までにリーグ2位の6勝(2敗)を挙げ、その実力を存分に発揮している。
内角を強気に攻める投球内容に比例してか、与死球はセ・リーグトップの7個。ネット上の野球ファンの間では、黒田の死球は「男気注入」と呼ばれ話題になっているが、「男気」を注入された選手は、その後の成績が上昇しているのだろうか。実は、黒田から死球を受けると、不調に陥るというデータがある。
黒田からの死球を受けた選手が、死球後翌日からの出場5試合の成績をまとめると、以下のようになる。
■名前/死球日/翌日からの出場5試合の打撃成績
亀澤恭平(中日)/4月4日/14打数2安打 打率1割4分3厘
山田哲人(ヤクルト)/5月1日/23打数2安打 打率0割8分7厘
田中浩康(ヤクルト)/5月1日/5打数0安打 打率1割4分3厘
上田剛史(ヤクルト)/5月22日/19打数3安打 打率1割5分8厘
T-岡田(オリックス)/6月5日/16打数4安打 打率2割5分0厘
駿太(オリックス)/6月5日/12打数1安打 打率0割8分3厘
李大浩(ソフトバンク)/6月12日/8打数3安打 打率3割7分5厘
交流戦最終カードでぶつけられた李大浩は、直後2試合のデータしかなく、数字を上げているが、それ以外の選手は総じて、死球を受けた直後は不調に陥っているのだ。内角をえぐるツーシームの残像が消えないのかもしれない。
ただし、男気を注入された選手は、その後の広島戦になると、爆発している。亀澤は4月17日からのカード、5月19日からのカードで計13打数7安打。山田は5月22日からのカードで16打数9安打と打ちに打ちまくっている。
となると、この2人に加え、今後の広島戦での田中浩、上田の打棒には否が応でも注目が集まる。単なるデータとはいえ、広島投手陣は、黒田が死球を与えた選手には細心の注意を払って立ち向かう必要があるだろう。