冷たい炭水化物が生活習慣病対策になる!? 意外な食の健康法を教えてくれたのは、岐阜大学教授の早川享志さん。
「ご飯を冷やすことによって、生活習慣病や便秘解消の効果が高まるというのは、炭水化物が冷えた時だけ、レジスタントスターチという成分ができるから。レジスタントスターチとは、小腸で消化されにくいでんぷんの一種で、食物繊維とよく似た性質を持っているのです」(早川さん。以下、「」内同)
通常、温かいご飯を食べると、胃を通り小腸で消化吸収されるが、ご飯を冷やすとレジスタントスターチが作られるため、小腸で消化吸収されずに大腸まで到達する。
「食物繊維には、便をやわらかくする水溶性と便の量を増やす不溶性の2種類があります。一般的に水溶性の食物繊維が不足しがちなのですが、レジスタントスターチはそのどちらの作用も持ち合わせているのが特徴です。また、腸内で善玉菌のエサとなって善玉菌を増やすので、腸内環境を整えてくれる効果もあるのです」
さらに、血糖値の上昇を抑える働きも確認されている。
「レジスタントスターチを摂取すると、血糖値の上昇を抑えて、脂肪を溜め込む働きをするインスリンの分泌を抑えます」
レジスタントスターチは実はご飯だけにできるわけではない。じゃがいもなどのいも類のほか、豆類(大豆は除く)、パスタなども同様だ。
「それらを冷蔵庫で冷やして2~3時間後から増えはじめますが、再加熱すると戻ってしまうので温めずに食べる必要があります」
これからの季節なら、冷たいお茶漬けや冷製パスタ、冷蔵庫で冷やしたポテトサラダなどがおすすめ。
体によいといっても、食べすぎると糖質の摂りすぎやカロリーオーバーになるので、食べすぎには注意が必要だ。
※女性セブン2015年7月2日号