ある1枚のポスターが、話題になっている。光沢のある黒をバックに、ノースリーブの黒いドレスを着た女優・篠原涼子(41才)がまっすぐ前を見据え、下のほうにはローマ字で大きく「KIRYU」の文字が並んだそのポスターは、一見すると、まるでファッション誌の表紙か化粧品の広告ポスターのようだ。
実はこれ、群馬県桐生市の観光ポスター。篠原は桐生市出身で、女優として活躍しながら、俳優の市村正親(66才)と結婚し、2児の母となった今でも、桐生にたびたび里帰りするほど地元愛が強く、市内でも“目撃情報”は多い。そんな篠原は、2013年8月に同市の「観光大使」に任命された。
観光大使とは、地域振興を目的として、対外的にその地をアピールする役割を担っており、その活動内容は多方面にわたる。
篠原の場合は、桐生市の観光パンフレットにコメントと写真を提供したり、成人式にビデオメッセージを寄せるなどの形で地元に貢献してきたのだ。今回のポスターも、観光PR活動の一環で、なんとノーギャラでポスター撮影を引き受けたという。
「桐生には、『ひもかわうどん』や『ソースかつ丼』といった名物や名所がたくさんありますが、そういった文言をあえて入れず、篠原さんの魅力を前面に押し出して“桐生市そのもの”をアピールしました。ポスターを見て『桐生ってなんだろう?』、『ちょっと調べてみようかな』と興味を持っていただくのが狙いでした」(桐生市観光交流課)
このポスターは群馬県のアンテナショップ「ぐんまちゃん家」(東京都中央区)などに飾られているだけで、一般配布はしていない。そうしたPR戦略は、市の狙い通り功を奏し、桐生市には問い合わせが殺到した。
「『ポスターがほしい』『売ってほしい』とか、『どうやったら手に入るのか』といった内容を中心に、電話やメールで問い合わせを多くいただいています。多い時で1日100件以上、桐生市観光協会のホームページへのアクセス数は2万件以上です。なかには『今度、桐生市に行ってみます』という感想も届いていて、さっそくポスターの効果を感じています」(前出・桐生市観光交流課)
※女性セブン2015年7月2日