がんは、日本人の死因1位。今や国民の2人に1人ががんに罹り、3人に1人が亡くなっている。
2013年に実施された厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、日本のがん検診受診率は男性の胃がん、肺がん、大腸がん検診で4割程度。女性は男性より低く、いずれも4割には遠く届かない。また、女性の乳がん、子宮頸がんの検診率は、欧米諸国が7割以上なのに対し、それぞれ2割程度とわが国は極めて低い。
しかし、がん検診は近年「進化」を続けてきた。今や、“手軽にできて、時間がかからず、痛みも少ない”といいことずくめな上に、早期のがんをしっかり発見してくれる検診がたくさんあるのだ。6種類紹介しよう。
【1】1cmのカプセルが鏡代わり 「大腸カプセル内視鏡」
大腸がんの検診で用いられる「大腸内視鏡」は、肛門から直接管を入れるため、痛みが伴い、恥ずかしい格好にならなければいけないと敬遠されていた。しかし、この大腸カプセル内視鏡は、口からカメラ内蔵のカプセルをのみ、カプセルが撮った画像を医師が診断するという簡単なもの。カプセルの大きさは直径約1cm、長さ約3cmと小さく、のみやすい。費用は約12万円。
【2】CTで撮るだけ 「3D仮想大腸内視鏡」
同じく、大腸がん検診で注目されているのは、内視鏡を体内に入れずにCTで大腸を撮影する検査法だ。CTスキャンにもかかわらず、内視鏡で撮影したかのような、体の奥深くの画像を見て診断できる。検査そのものにかかる時間は10分程度と短いのも特徴で、約3万円で受診できる。
【3】1度で全身をチェック 「PET検査」
検査薬を注射し、特殊なカメラで全身を撮影するこの検診では、たった1度で、肺、大腸、子宮など全身を調べることができる(胃がん、腎臓がんなど見つけにくい部位もある)。検査時間は約3時間で、料金は十数万~20万円。
導入されている病院はまだ少ないが、乳房専用のPET検査「PEM」は、PETでは検出することが難しい、数mm程度のがんを発見することができる。
【4】採血するだけで全身チェック 「AICS(アミノインデックスがんリスクスクリーニング)」
血液中のアミノ酸濃度を測定し、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮がんなどのリスクを調べることができる。採血は1度限りで、費用は1万~2万円。
【5】特に喫煙者にオススメ 「喀痰細胞診検査」
痰を採取し、そこに含まれている細胞を検査する。費用は数千円程度。痛みや不快感といった体への負担はまったくなく、病院によっては自宅で採取した痰を持って行くだけでよいところもある。
【6】便や血液を郵送で送るだけ 「在宅検診キット」
自分で採取した便や、痰、血液を検査機関に郵送するだけなので、病院に行く時間がない人や、予約を取るのが面倒という人にピッタリ。採血は、指先から採れる、専用の器具が入っているので初心者でも大丈夫。種類は、大腸、胃、子宮など数種類あり、費用はそれぞれ数千円程度と、チャレンジしやすい。
※女性セブン2015年7月2日