国民年金の加入者は平均で毎月約5万5000円の年金を受給。その一方で、厚生年金の加入者は平均約14万6000円程度となる。その差は9万円以上。これは大きい。つまり、厚生年金に加入することが、年金額の大幅アップに繋がるというわけだ。
ところが、女性は男性に比べ、厚生年金への加入年数が圧倒的に短い。男性の約半数が35年以上加入している一方で、女性は約半数が10年未満だ。
「国民年金と同様、女性が厚生年金に加入することで、年金増が期待できます。しかも、増額幅は厚生年金のほうが大きい。というのも、国民年金の保険料は全額自己負担ですが、厚生年金は会社が半分負担してくれるからです」(「年金博士」として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏)
さらにいえば、厚生年金を増やすことは、男性よりも女性のほうにメリットが大きい。
「年金は65才受給開始です。ところが、65才になる前に厚生年金の一部を受け取れる世代がいます。私はこれを『得する年金』と呼んでいます。女性では現在49才以上の人が対象。対して、男性は現在54才以上の人が対象です。つまり、女性は男性より5才若い年齢から厚生年金の一部を受け取れるというわけです。特に49才以上の女性は厚生年金の加入期間を増やせば増やすほどお得だといえます」(北村氏)
この「得する年金」は自分で申請しないと受け取れないので、注意が必要だ。厚生年金は1か月でも加入歴があれば受給できる。短期間でも結婚前にOLをしていた、パートで厚生年金に加入したことがある、という女性は忘れずに申請してほしい。
※女性セブン2015年7月2日