年金、米軍支援、オトモダチ醜聞──どうにも8年前の政権投げ出しの時と似てきた。頼みの支持率もついに急落し始めた。永田町ウォッチャー37人の「次の総理」予測から浮かび上がるのは、「安倍一強」が砂上の楼閣となりつつある現実だ。“城”を奪うのは誰か。そしてその人物は国民の間に渦巻く閉塞感と政治不信を打ち破るだけの魅力を持っているか──。
本誌は保守派からリベラルまで、永田町ウォッチャーに「ポスト安倍」のアンケート調査を実施した。調査対象は政治家OB、政治評論家、政治部記者ら37人に、「安倍首相が今国会会期末までに辞任した場合の次期総理」を聞いた。それぞれ1~3位までに挙がった人物を集計したベスト3を以下紹介しよう。評者投票を1位3ポイント、2位2ポイント、3位1ポイントに換算したのが以下の「合計ポイント数」である。
■凡例:【順位】氏名/合計ポイント数/主なコメント
【1位】谷垣禎一/71/「緊急避難的な意味で谷垣氏。リベラルのイメージが強く、敵も少ない」(鈴木哲夫氏)「中韓との関係も上手にやれる」(角谷浩一氏)「現幹事長が出てくるのが順当」(俵孝太郎氏)
【2位】麻生太郎/47/「副総理であり、安倍氏との仲も良好」(岸博幸氏)「『次は麻生』というのが安倍氏と麻生氏の密約」(福岡政行氏)「総理経験者という意味でチャンスあり」(筆坂秀世氏)
【3位】菅義偉/27/「突然の辞任の場合、閣内で支えた人間が後継となるのが順当」(二木啓孝氏)「安倍氏が健康問題で退陣する場合、支え続けた菅氏が可能性大」(大下英治氏)
※週刊ポスト2015年7月3日号