日本老年学会は6月12日、65歳以上の高齢者の「知的機能」「病気にかかる割合」「身体機能」について、「10~20年前に比べて5~10歳は若返っている」との分析結果を発表した。
例えば知的機能については、知能検査データを分析した結果、認知症がなく健康状態の良い高齢者の集団では、ほとんどの検査項目で60~70代の成績が向上。2010年の70代は2000年の60代と同等の成績だったという。
病気にかかる割合も、脳卒中、心筋梗塞、骨粗鬆症が大きく減り、65歳の高齢者の健康状態は15年前に比べて5~10歳程度改善。身体機能についても、歩く速さや握力、片足立ちの時間などが1992年と2002年に比べて軒並み向上していた。
当然、性機能も若返っている。本誌はこれまでに、性生活を謳歌する高齢者の実態を幾度も報じてきた。日本老年学会は「性機能については、学会に所属する専門医が少ないため調査はしていない」としているが、下半身の若返りを示すデータはいくつも存在する。
日本性科学会の「中高年セクシュアリティ調査」(2012年)によれば、70代男性の性欲が活発化しており、「配偶者との性交渉を望む」70代男性は、2000年調査の24%から38%に上昇した。70歳を過ぎても、4割の男性が妻とのセックスを望んでいるのである。
そうした性欲は現実には妻ではなく家庭外の女性に向かっている。「過去1年間の配偶者以外との親密なつき合い」が「あった」と答えた人の割合が、60代男性では14%から28%に、70代男性では6%から31%に大幅アップ。女性も60代が3%から15%に、70代でも0%から6%に、いずれも2000年の調査に比べて急増している。
東京大学名誉教授の石川隆俊氏は5月末発売のムック本『壮快Z3』(マキノ出版)で、60代から90代の60人の男女(男女各30人)を対象に行なった個人の性愛についての調査結果を報告している。
それによると〈男性の8割、女性の7割以上がセックスに関して積極的〉であり、〈男性では最高齢が93のかたを筆頭に、80歳以上の5名が、今も性生活では現役。女性では、70歳以上で元気なかたが5名〉いたとしている。
※週刊ポスト2015年7月3日号