《この作品を仕上げるまで俺は絶対に倒れるわけには行かないんだ! そんな気持ちでした。(中略)いろんな思いの詰まった傑作となりました》
6月11日、ブログにそう綴ったつんく♂(46才)。その5日後、つんく♂の個人事務所「TNX」がYouTubeに1本の動画をアップした。『I’m a lady now』というテクノポップ調の楽曲のミュージックビデオで、歌っているのは「Hotzmic」という少女だった。
プロフィールは一切公表されず、ミュージックビデオではシルエット姿のため顔の判別もできなかったが、そのネイティブ級の英語の発音と伸びのある美しい声量に、ネット上はたちまち騒然となった。
《天才歌手が現れた!》
《これ、歌ってるのは誰!?》
そして明かされた歌手の正体に、再び衝撃が走った。つんく♂を知る芸能関係者が語る。
「この少女は、つんく♂さんの長女Aちゃん(7才)だったんです。彼女はもともと歌やダンスが大好きで、まわりの大人たちにもよく披露していました。歌詞は全て英語ですが、長女はインターナショナルスクールに通っているので、まったく苦にしなかったそうです。何よりも、その堂々とした歌いっぷりに、レコーディングスタッフ一同が仰天したといいます」
今年4月、母校・近畿大学の入学式で、喉頭がん治療のため声帯摘出手術を受けていたことを告白したつんく♂。歌と共に生きてきた彼にとって、声を失うことは絶望にも等しかっただろう。
そんなつんく♂が、このたび、自身の楽曲のボーカルに選んだのが、愛娘だった。
「Aちゃんはそんなお父さんの思いをよくわかっていたんでしょう。レコーディング現場では、“お父さんの歌声を引き継ぐんだ”というようにつんく♂さんの指示に従って、何度も何度も、一生懸命に歌っていたそうです。完成した歌を聴いて、つんく♂さんは涙が止まらなかったといいます」(前出・芸能関係者)
声を失った父親が託した“歌のバトン”は、愛娘がしっかりと受け止めた。
※女性セブン2015年7月9・16日号