クルマの知識が乏しい美女でも99%知っていて、しかも無敵の支持率を誇るクルマといえば“ベンツの四角いジープみたいなの”。正式名称「メルセデスベンツ・Gクラス」だ。これまでにクルマを40台買ってきたフリーライター・清水草一氏(53)が、普通に購入すれば1000万円はくだらないGクラスをお得に手に入れる方法を解説する。
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Gクラスは、浮気感のない真四角なボディと、ダンプとぶつかってもビクともしなさそうな頼もしさ、プラスベンツというブランドを兼ね備えている。これぞ理想中の理想のクルマだ。たとえ我々がフツーのオッサンであっても、Gクラスに乗っていれば彼女たちの目はハート型になり、喜んで温泉の誘いに乗るだろう。
とある美女は、「Gクラスに乗ってる人は、『誘って来るかな?』と予感させるのよね」とのたまった。クルマが心の準備をさせてしまうとは、なんという手間いらず。
そのGクラス、乗ってどうかというと、やはり無敵だ。猛烈に自分が強くなったように感じて、怖いものがなくなる。美女を温泉に誘うくらい朝飯前という気分になれる。さすが無敵のモテグルマ。
「よし、じゃそのGクラスとやらを買おう!」
善は急げで価格を調べると、一番安い「G350ブルーテック」(3リットル・V6ディーゼルターボ)で1018万円、最高級の「G65AMG」(6リットル・V12ガソリンツインターボ!)だと3410万円もするではないか。一瞬目の前が真っ暗になった。
「なら中古はどうなんだ。大きなベンツは中古がお買い得と書いてなかったか?」
その通り。1545万円のベンツ・S550も、10年経てば200万円以下で買える。ただしGクラスは少々事情が変わる。
確かに200万円台のGクラスは存在するが、それは「20年落ち&10万kmオーバー」と思うべし。地上最強のモテグルマだけに人気が落ちないのだ。
リスクのないところに勝利はないが、美女との温泉ドライブ中にエンコするのが怖ければ、諸経費込み400万円は準備したい。それでなんとか「12年落ち&7万km前後」がゲットできる。
■清水草一:編集者を経て、フリーライターに。「自動車を明るく楽しく論じる」がモットーの53歳。現在、フェラーリ・458イタリア、BMW・335iカブリオレ、トヨタ・アクアを所有。日本文藝家協会会員。
※週刊ポスト2015年7月3日号