【書評】『ジェーン・スー 相談は踊る』/TBSラジオ「相談は踊る」編/ポプラ社/1296円
※人生の酸いも甘いもつまみ食いしてきた著者が、恋バナ・人生相談・マジレス希望・一言クエスチョンに勝手に身を乗り出してずばっと解決する、33本の傑作選。『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』に並ぶ快著。
【評者】ブックファースト宝塚店・鵜川紗千
最近はあまり聴かなくなった気がするが、むかし(そんな大昔じゃないですよ!)は、ラジオから流れてくる相談番組を自然と耳にしていたような気がする。本書は、TBSラジオの、その名も『相談は踊る』という番組に実際に寄せられた相談事をまとめたものである。
パーソナリティーはジェーン・スーさんなのだが、毎週御当人以外にメインMC役を必ず立てるという一風変わった相談番組である。
「レッツ相談~ 答えてジェーン・スー」
と小気味よい番組テーマソングにのって、さまざまな悩み相談は始まるのである。ラジオ同様、ジェーン・スーさんの小気味良い語り口がページで踊っている。
MCとの掛け合いもラジオの臨場感がそのまま楽しめる。何より、一見「それは悩みなのか?」と思うような相談に対して、真摯に解決しようとするやり取りが絶妙である。いつの間にか回答者の立場になって「あーだこーだ」と言っている自分に気がつく。
そして、決まって最後は、人の悩みに大きいだの小さいだのといった差はないんだなぁとうなずいている私である。本書を通してラジオならではの面白さが充分に伝わってくる。ジオの世界に触れたことがないかたには是非オススメしたい一冊である。
※女性セブン2015年7月9・16日号