さだまさしがラジオのようなスタイルで投稿はがきを読むNHKの深夜番組『今夜も生でさだまさし』(通称「生さだ」)。放送開始から9年間、多くのファンに愛されているこの番組だが、裏側はどんな様子なのだろうか。音響効果担当の住吉昇さんは、こう打ち明ける。
「番組の一部としてテレビに映るという話だったんですけど、まさかさださんの隣に席があるとは(笑い)。さださんには打ち合わせで初めて会って、2回目が本番ですから、緊張しました。
ピークは2010年の正月。さださんの年越しライブに合わせた両国国技館からの放送です。いつも番組の観客は30名ですが、この時は1万人。“さださん、緊張するんですけど”と言うと、“大丈夫だよ、おれも緊張してるから”って言われて、落ち着きました。万雷の拍手の中に入場するのは、ものすごく気持ちよかったです。番組は、脱線続きで“今回ははがき何枚読んだっけ?”ということも。本番までほとんど話をしないので、さださんから何をふられてもいいよう、本業である音響効果の材料をしっかり用意し、本番に臨んでいます。今でも毎回緊張しますが、本番はとても楽しい。画面に映らないスタッフもみんな笑顔で仕事しています」
美術担当の小針画伯はこう話す。
「ホワイトボードに絵を描き始めたのは、セットプランニングで時間が余ったから。会場入りする前に町を歩き、空気を感じ、土地の人に話を聞いて、何を描くか決めています。
通常は放送開始約5時間前に描き始め、さださんが目にするのは、半分くらい描いたところ。“こんなに描いちゃって大丈夫?”など、毎回喜んでくださるので、“やった!”と心の中でガッツポーズすることも。ちょっとした声掛けで、本当にやる気を高めてくれる人なんです」
※女性セブン2015年7月9・16日号