6月22日の夏至の日、中国陝西省楡林市では夏至に犬の肉を食べる祭りが開催されたが、これに反対して、同市の女性が食肉用の犬100匹を7000元(約14万円)で買い取るなどの活動を展開した。中国の労働者の昨年の年収は平均約5万元なので、年収の7分の1に相当する。
同市の犬食祭りは当初、冬至に行なわれており、犬の肉やライチ、酒を飲み食いして冬の間の健康を祝う祭りだったが、年々批判が高まり、昨年から夏至に行なわれることになった。
しかし、昨年も中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」などには、檻に入れられて殺されるのを待つ犬の写真や、屋台に吊るされた犬の肉、テーブルの上に盛り付けられた犬料理の写真が、批判的な言葉とともに掲載されており、今年も同じような現象が見られた。
中国では昔から犬や猫は栄養価が高いといわれ、普通に食べられていた。祭りの1日で約1万匹の犬が食べられるという。また、中国全体では犬は1000万匹、猫は400万匹が消費されるとあって、近年、国外ばかりでなく、豊かになった中国内の市民からも犬や猫の肉を食べることに非難が集中。また、内外の動物愛護団体は毎年、抗議行動を行なっている。
同市政府は犬肉を食べることを禁止していないが、レストランのメニューや看板から犬肉料理を消すように指導している。
今年はこの女性が7000元という身銭を切って犬100匹を助けたことに喝采が送られた。米ニューヨーク・タイムズのほか、フランスのAFP通信も報じ、香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」などが転電した。