クイズ番組『パネルクイズ アタック25』(テレビ朝日系)の新司会に4月から起用されている俳優・谷原章介(42才)。2011年5月に亡くなった児玉清さん、朝日放送の浦川泰幸アナウンサーに続く3代目の名司会ぶりに今、注目が集まっている。コラムニストのペリー荻野さんが綴る。
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平成のスマート男谷原章介が、『パネルクイズ アタック25』の司会を始めて、早三か月。その司会ぶりは、この番組の名物司会者だった児玉清が作り上げた上品さをしっかり継承しているが、少しずつ「谷原流」も見せ始めている。
たとえば、先日の「パパ大会」。放送当日は父の日とあって、番組のサブタイトルには「司会は6児の父 谷原章介」とバッチリ表記されている。そして番組が始まると、四人のパパ回答者や応援席の家族に対して「どんなお父さんですか?」「反抗期の息子さんにいいところを見せてください」などと言葉をかける。
そんな中、突如として「夫婦仲はよろしいですか?」と質問したのにはびっくりした。ですます調でさりげなく、うっかり聞き流しそうだったが、よく考えたらなかなかできない質問だ。なのに、あのスマートな微笑みで聞かれると、つい答えてしまうから不思議。恐るべし、谷原スマイル。
パパ特集の翌週は、がらり雰囲気が変わって、「女性特集」。四人の妙齢な女性回答者の前の谷原は、まさに「水を得た魚」のごとくスマートパワーを炸裂させた。
正解を出した回答者に「そうです!」「お見事!」と微笑み返しをするのは当然のこと。「香川照之」を「かがわてるあき」と答えてしまった回答者には「惜しい!照之さんなんですね。惜しい~!」と励ます。パネルが一枚もなかった緑のボックスの回答者には、「緑、大丈夫ですか? リラックスしますか」と自ら腕をぐるぐると回してリラックスを促す。すると、緑はメキメキと力を発揮し、あっという間にトップの座を狙えるほどの正解を連発したのである。
回答者が三姉妹の母だと知ると「男親からすると女の子は仲が悪くても可愛いです」、ハーブの問題が出ると「ジャスミンはいいですね。丈夫でかまわなくてもよく育つ」と家庭的なトークもさしはさんで場を和ませる。心憎い配慮だ。ちなみに児玉清は、「アタックチャンス」の前に回答者の緊張をほぐすため、いったん小休憩もとり、自らキャンディーを配る習慣があった。私も取材に出かけた際にいただいたことがあったが、場を和ませる心配りも、谷原流に引き継がれているようだ。
いよいよ「アタックチャンス!」という場面。谷原は「アタックチャンス」の片手ガッツポーズも力まずさらりとした印象。断然、赤と緑が優勢で、せっかく獲得したパネルも取られて一枚もなくなってしまった青の回答者には「一枚開ければ逆にここがすごいチャンスですからね」と優しく激励する。確か前週のパパ特集の同じ場面で劣勢の青パネルのパパには「序盤の勢いがまったくありませんよ!」と背中を押していたのだった。パパに対しては同じ目線で、女性に対してはソフトに。激励を使い分ける谷原。
その後、青の女性回答者は見事一問正解!そして、「やっときた。(パネルは一枚当たり賞金一万円だから)現金持って帰ろう!」とフォローも忘れなかった。緑の攻勢といい、青の一枚ゲットといい、谷原の一言は魔法の言葉かも? 番組の新たな名物になりそうだ。