2013年12月に発売した歌舞伎フェイスパックは、発売後たった2日で4500個が完売。1年半で約100万個を売り上げた。
開発したのは、一心堂本舗の社長・戸村憲人さんだ。江戸時代の養生文化を活かした飴やおかきを販売する小さな企業で、商品を歌舞伎座で売るうちに、“歌舞伎”で何かできないかと考えた。
「ネットである学生が歌舞伎の隈取りをフェイスパックにデザインした画像を見つけ、これはおもしろい! と、商品化できないか交渉しました。さらに、ダメ元で市川染五郎さんに監修を依頼したら、『ぼくも楽しく歌舞伎を広めたい』と、快く引き受けてくれました」
しかし、フェイスパックの制作は苦戦を強いられた。
「大手メーカーからは、インクが落ちる、型抜きできないと門前払い…。だったらすべての工程を別々の企業で作ってもらおうと思って。インク会社、印刷会社、型抜き会社、化粧品会社など全国40社以上を訪ね歩き、協力してくれる企業を見つけました。複数の企業で分業しているので、他には絶対マネできません!」
現在、歌舞伎座、東急ハンズや空港などで販売中で、バリエーションも増えた。見た目だけでなく、ヒアルロン酸など美容成分たっぷりで“いよぉ~っ”しっとり!
※女性セブン2015年7月16日号