現在、AV業界では年間3万5000本もの作品が制作され、女優も飽和状態にある。それゆえ昨今のAV業界では、かつてのように「美人」「巨乳」というだけでは話題にもならない。7月にデビューする“元地方局アナウンサー”の皆道あゆむのように肩書きが重要で、最近では「元スポーツ紙記者」の経歴が話題となった女優の作品がヒットした。
しかも最近は「元」ではなく「現役」、つまり本業を持ち、AVを副業とする女優の作品が人気だ。この6月には、大手AVメーカーのソフト・オン・デマンド(SOD)が『副職AV女優』という新レーベルを立ち上げ、「本職、看護婦」「本職、幼稚園教師」などの作品が次々にリリースされている。SODの広報担当者がいう。
「AVとは程遠いイメージの職業の女性が淫らな姿を見せるギャップと、その職業ならではのリアルさが人気の理由だと思います。コスプレや演技をしただけの作品と違い、その仕事を本職としている女性は喋る内容にリアリティがあって、刺激的です。今のAV業界では3000本売れれば成功といわれますが、このシリーズは平均4000本は売れています」
出演女性の大半は、SODのホームページ経由で応募してくる。
「応募してくる女性はおカネよりも“有名になりたい”“エッチが好き”という動機が多い。ただし応募者全員がデビューできるわけではありません。先日は牧場で働いているという女性の応募がありました。可愛らしい子でしたが、“職業とのギャップ”を演出しにくいと判断してお断わりしました。今欲しいのは、お堅い職業の女性。現役教師や銀行員などの応募をお待ちしています(笑い)」(同前)
3月に本誌でヌードを披露した名門私立高の現役物理教師・小川桃果(現在は退職、5月にAVデビュー)が業界の話題をさらった背景にはそうしたニーズの高まりがあった。
※週刊ポスト2015年7月10日号