巨人のV9最初の年から50年目にあたる今年、『巨人V9の真実』(小学館)が単行本として出版される。その出版を記念し、V9時代を支えた巨人のエース、400勝投手の金田正一氏、「エースのジョー」と呼ばれた城之内邦雄氏、そして栄光の18番を背負った堀内恒夫氏が一堂に会した座談会を開催。かつてのエースたちが、現在の巨人軍について語りあった。
金田正一(以下、金田):しかし今年の巨人は弱いなァ。
堀内恒夫(以下、堀内):なあに、いいコーチがいるから大丈夫ですよ。
金田:皮肉だな(笑い)。
城之内邦雄(以下、城之内):しかし、首位なのに貯金無し(注・取材時)というのは何とも。
堀内:見ているほうは面白いんじゃないですか。こんな低レベルな戦いも。
城之内:特に守備がダメ。6月24日の横浜戦は酷かった。1回1死一、二塁の場面で筒香(嘉智)の二塁ゴロが併殺崩れになり、二塁走者が生還。あんな野球見たことない。
金田:その場面はワシも見ていたが、一塁の阿部(慎之助)が送球を受けた時、二塁走者を見ていないから生還させてしまったんだ。あり得ないミスですよ。
堀内:川上(哲治)さんなら「多摩川(二軍)送り」ですね。
金田:川上さんは、そもそも阿部は使わないよ。コンバートの考え方が根本的に違う。あの人は若く可能性がある選手しかコンバートさせない。王(貞治)や柴田(勲)を投手から野手にしたのも入団直後だった。あんな故障持ちは戦力外だ。
※週刊ポスト2015年7月17・24日号