今年、ブライダルファッションデザイナーとして50周年の節目を迎えた桂由美さん(83才)。多くのカップルの結婚式を担当した彼女は、42才の時に、元・大蔵省(現・財務省)官僚の結城義人さん(享年71)と見合い結婚している。
1990年に結城さんが亡くなるまで、妻として彼に添い遂げた桂さんが結婚生活がうまくいくポイントを語ってくれた。
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夫には精神的にかなり支えてもらいました。それに、彼の日常生活から学ぶことも、とても多かったと思います。
私には体形的なコンプレックスがあり、「太っている」という言葉は、禁句でした。ある時、夫が、「ぼくは、やせている女性は好きじゃないんだ」と、言ってくれたことがありました。これは本当にうれしかったものです。
夫婦であれば、お互いの禁句は、言わずもがなわかりますよね。夫は私の気持ちを察してくれていたのだと思います。
その反対に、私も「これは夫が絶対に言われたくないことだろう」と気づいたことは、死んでも言わないと決めていました。
弱点を口に出して指摘したら最後、“一生の恨みになる”とわかっていましたから。それはしこりとなって、心の中に一生巣食ってしまうと思ったのです。
弱点には目をつむり、いいところを見つけてほめ合う方が、当然、夫婦間はずっとうまくいきます。夫は、直接私に向かってほめてくれたことはありませんでしたが、あるインタビューで、私のことをこんなふうに言ってくれたことがありました。
〈一途にひたむきに仕事をしていくとこうなるという好例だ…〉
これには、直接言われるよりも、何倍もの効果があった気がします。心の底から、感激しました。
毎日一緒に暮らしていると、なかなか口に出してはほめづらいもの。でも、時には「いつも助かってるわ」の、ちょっとした感謝の言葉でもいい。言葉に出して言うと、夫婦生活がより円滑になると思うのです。
※女性セブン2015年7月9・16日号