巨人V9が始まったのは1965年、今年は50年目になる。その節目の年に『巨人V9の真実』(小学館)が刊行されるのを記念し、V9時代を支えた巨人のエース、400勝投手の金田正一氏、「エースのジョー」と呼ばれた城之内邦雄氏、そして栄光の18番を背負った堀内恒夫氏が一堂に会し座談会を開催。試合時間が4時間超も珍しくなくなった最近のプロ野球について語りあった。
金田正一(以下、金田):確かにジョーさんは早かった。というか、昔の投手は皆投げるのが早かったですよね。遅かったのは宮田(征典)さんくらい。
城之内邦雄(以下、城之内):宮田は遅かったね。
堀内恒夫(以下、堀内):理由を聞いたら、打者が息を抜くのを待つから。相手は息を止めて球が来るのを待っているから、息を吐いた時に投げるという。遅いわけですよ。それでもリリーフ専門の宮田さんが「8時半の男」といわれていたように、当時の試合は遅くても9時には終わっていた。開始は7時だから2時間くらい。
城之内:今は長すぎるよね。6月24日の試合なんか終わったのは夜10時だよ。
堀内:僕らは10時にはもう家にいましたよね。
金田:ワシはもう女を抱いていたな。
堀内・城之内:……。
※週刊ポスト2015年7月17・24日号