日本全国で地震が頻発し、東京・小笠原諸島と神奈川県では震度5強を記録。相次ぐ火山の噴火もあり、自然災害への備えが迫られている。か弱い女性が何を持って逃げればよいのか、本当に使えるアイテムは何なのか?
防災グッズは3段階に分けて用意するべきと語るのは、危機管理アドバイザーの国崎信江さん。
まず1段階目は、いつなんどき被災しても命が守れるよう、普段から携行しておきたいもの。多くを持ち歩くのは面倒で、かえって習慣化できなくなるので、水、大判のハンカチ、ホイッスルの3つにしぼりたい。
「電車やエレベーターに閉じ込められた場合、飲み水さえあれば当面はしのげます。また、流血か所を洗い流すこともできます」(国崎さん)
大判ハンカチも何かと役立つ。口を覆えば粉塵を防ぐマスクに、けがをしたら三角巾代わりにも。防災グッズは、このような1つで2役以上こなせる物を持つと、荷物を減らすことができる。
「さらに、緊急事態であることや、瓦礫に埋まった場合など、居場所を知らせるのにホイッスルが役立ちます」(国崎さん)
第2段階は、被災後にすぐ持ち出したい、「短期的な避難用」の防災グッズ。被災直後の当面をしのぐ、3日ほどを想定している。
一方で、第3段階の「長期的な生活用」は、なるべく自宅での生活を、と考えたもので、何か月にも及ぶ場合もあり、ライフラインが途絶えた状況で疲労はピークに達することも考えて備えておきたい。
「東京や大阪など大都市で災害が起きた場合、現在用意されている避難所に、全市民は収容しきれません。特に女性の場合、段ボールのついたての隣に見知らぬ男性が寝起きする生活は、性犯罪や窃盗の危険もあり、かなりのストレスになります。事前にあなたが住んでいる住宅の安全性をクリアにして、ライフラインが復旧していなくても、危険が迫らない限りは自宅での生活をおすすめします」(国崎さん)
女性の場合は特に体力面で重いものを長時間持ち歩くのは難しい。緊急避難用の荷物は最低限にし、逃げ遅れや体力消耗を避けたい。命をつなぐのに必要な「水や食料」を基本に、「けがを防いだり、体を保護するもの」、「衛生グッズ」や「情報ツール」の確保を最優先に。
「わが家では緊急避難用の最低限の荷物を防災ベスト(国崎さんが開発したポケットに様々なものを入れられるベスト)に入れ、すぐに持って逃げられるよう、玄関に家族5人分を掛けています。リュックだと体から離した時に盗まれることがありますが、ベストなら身につけられるので安心です」(国崎さん)
※女性セブン2015年7月23日号