〈今年は結婚してから25年が経つようです。時間は常に経過していますので、取り立てて25年に意味づけをするものではないと思いますが、少し振り返ってみるのも記憶と記録を整理する上でよい機会かもしれませんね。〉
2人の出会いはちょうど30年前の1985年。銀婚に際して発表した秋篠宮文仁親王の言葉で始まる「夫婦対談」には、平成皇室の歩みと新たな時代への決意が込められていた。
〈文仁:(夫や親としての自己評価は)私の場合には限りなくボーダーラインに近い「可」といったところでしょうか。
紀子:私も仲良く「可」にいたします。いろいろな可能性を秘めている「可」ということでいかがでしょうか。〉
6月29日、結婚25周年を迎えた秋篠宮夫妻が結婚生活を振り返る対談形式の感想を発表した。全文は400字詰原稿用紙19枚分に相当し、出会いから現在までを回想するユーモア溢れるやり取りは、そのまま皇室の30年を描き出している。皇室ジャーナリストの久能靖氏が語る。
「秋篠宮ご夫妻は、自然なかたちで国民に思いを伝えたかったのでしょう。ほのぼのとしつつ、ご夫妻の強い絆と皇族としての決意が表われた文書です」
夫婦対談では皇室の次代を担う子供たちとの秘話が披露されている。秋篠宮は最近、英国留学中の長女・眞子内親王から父の日のカードが届いた喜びを語った。
〈普段は必要最小限の連絡事項をメールでしているだけなので、妙にうれしい気分になりました。久しぶりだったからかな。
紀子:すてきですね。私も眞子より母の日に羊の親子のカードを受け取りましたときは、胸が熱くなりました。〉
次女・佳子内親王は幼少時、紀子妃の誕生日にいつも手作りの品物をプレゼントしていた。幼稚園の頃は2つの贈り物を考え、先に作った貝殻の贈り物を早めに渡した。
〈そのあと、誕生日にもうひとつの贈り物をもらい、お祝いを2回してくれた、かわいらしい思い出もあります。〉(紀子妃)
互いに「導火線が短い」と称する秋篠宮と佳子内親王は最近、一緒に買い物に出かけた。
〈父親にたいしてつっけんどんな態度のことが多いのですが、意外と優しいところもあり、私が自由に選んだものについて、代わりに会計をしてくれました。もっとも、帰りに彼女にそのまま荷物を持たせていたら注意されましたけれどね。〉(秋篠宮)
8歳になった長男・悠仁親王は絵が上達し、両親に自作の折り紙や切り紙をプレゼントする。これらの贈り物は日付をつけて大事な宝物として秋篠宮家に飾られている。
「秋篠宮ご夫妻は両陛下の子育てを引き継いでおられるのでしょう。両陛下も幼い頃の皇太子さまや秋篠宮さま、黒田清子さんから贈られた手作り品を大切に保管されています」(久能氏)
※週刊ポスト2015年7月17・24日号