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急逝・高橋一三氏 ライバル堀内恒夫氏が語るV9時代の思い出

急逝した高橋一三氏の思い出を語る堀内恒夫氏

 1965年から始まった巨人のV9時代を支えた高橋一三氏が急逝した(享年69)。「左のエース」として活躍した高橋氏に対し、「右のエース」としてチームを牽引した堀内氏が、6月末に行なわれた『巨人V9 50年目の真実』(小学館刊。7月9日発売)の発売記念座談会の中で、高橋氏との思い出をこう語っていた。

 * * *
 僕はあまりコントロールが良くなくて、フルカウントになることが多く、ツースリーと言われた。一方の高橋一三さんは、名前の通り“ワンスリー”といわれていましたね。僕は一三さんより少しだけ良かったんです(笑い)。

 V9時代はフルカウントになったり、ボールが先行すると「早くストライクを投げろよ」とサードベースから長嶋(茂雄)さんなんかが怒っていた。特に僕と一三さんは、色んな人から、「お前たちはボールが多いんだから早く投げろ。人より倍、早く投げろ」と言われたものです。

 でも昔の投手は、今と比べて投げるのが早かった。特にナベちゃん(渡辺秀武)は早かったですね。(捕手から戻ってくるボールを)取っては投げ、取っては投げていた。

 キャンプの後は、オープン戦で各地を回るのが常だったが、最後の試合は福岡の小倉でやっていた。そこでは必ずナベちゃんが投げた。理由は早く試合を終えて早く東京に帰りたいから、みんなが「ナベちゃん投げろ」だからね。僕や一三さんが投げるとフォアボールばかりでなかなか終わらないから……(笑い)。

 プライベートでは仲が良かったですよ。一三さんは方向音痴でね。自動車を運転するときは、僕が助手席に乗せてもらってナビ役をしていました。ただ一度試合になればもちろん、勝ち星では絶対に負けたくないというライバルでしたね。

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